前回は「結合パターンのアウトラインと4視点からのアプローチ」でした。今回はラインについてです。

インテグラルデザイン研究:ライン

発達論的ラインは、4つの象限すべてに起こる。

まずは、「私」つまり個人の成長と発達に焦点を当てて見てみよう。

これまでに話してきたように、そこには多くのさまざまな多重知性や発達論的ラインがある。

名称解釈など
認知のラインありのままを認識する
倫理のラインどうあるべきかを認識する
感情ないし情動のライン感情の全領域
インターパーソナルのライン他の人と社会的にどうかかわるのか
欲求のラインマズローの欲求段階など
アイデンティティのラインレーヴィンジャーの自我発達に見られるような、私とは誰か
美意識のライン自己表現、美、芸術、意味の感受性
サイコセクシャルのラインエロスの全領域(グロース⇒サトル⇒コーザル)
スピリチュアルなライン存在の基盤や最高段階という意味ではなく、それ自身が展開するラインと捉えた場合
価値のライン個人が何を最も重要と考えるか、クレア・グレイヴスによって研究され、スパイラル・ダイナミクスとして有名になったライン

上記10のラインが重要だと彼は言っている。

また、これらのラインは、例外なく基本的な段階、レベルを通過していくとも。

だから、これらすべての性格特性を表やグラフで表したサイコグラフに含めることができる。

「精密さ」と「複雑さ」からの視点

「ロバート・キーガン、ジェイン・レーヴィンジャー、クレア・グレイヴスなどによる段階慨念を用いれば、5つ、8つ、もしくはそれ以上の発達のレベルを持つことができ、私たちはそれらの発達論的ラインや流れの自然な展開をたどることができる。」とも彼は言っている。

これは、どの分類が正しいか、間違っているかという意味ではない。

解決すべき問題の前提として与えられたものの状況を、より深く理解するのに、どの程度の「精密さ」「複雑さ」が必要なのかという視点を持って欲しいということだ。

また、彼はAQALモデルをビジネスに使う例として、ノートルダム・ビジネス・スクールの例を示している。

AQALとは、インテグラル思想の基本概念であり、4象限とレベルを合わせた意味を持っていることは、前回話した。

要は、すべての象限は発達論的ラインを持っていて、それはグロスからサトル、コーザルの段階へと進むことになる、ということだ。

これは、自身を構成するエネルギー的要素に意識的に熟達する能力を長い期間に亘って得るという意味でもある。

他の象限

一方、外面的な象限(それ)は、あらゆる外面的な行動、活動、運動の象限だ。

運動とは、グロスからサトル、コーザルの段階へと進むことを意味する。

これが「私たち」の象限になると、文化的な発達そのものが波のような状態で展開していく。

「それは、この分野の先駆的な天才であるヤン・ゲブサーが、古代から、呪術、神話、心的、統合、さらにその高次へ、と呼ぶものである。」と彼は言っている。

「それら」の象限では、狩猟採集、農業、工業、情報の各社会段階だ。

人間以外のところに目を向ければ、そのシステム理論は集団的社会システムの進化を調査している。

私たちはこれを「集団、国家、地球」という言葉で括っている。

この象限では、社会的複合体のレベルが、より大きなシステムヘと統合されていく。

それは意識、思いやり、文化、自然、それらが次第に拡大していくスフィアを示している。

この場合のスフィアとは、活動・知識・勢力などの範囲あるいは領域のことだ。

つまり、「私」「私たち」「それ」が、進化を遂げていく。

「自己」「文化」「自然」が、漏れなく発達し、そして進化する。

他の要素

では他の要素はどうだろうか?

これまで話してきたことも交えながら、みていくことにしよう。

結論から言えば、ステートは、すべての象限で起こり得る。

そべての象限とは、自然の状態から思考の状態に至るまでだ。

ちなみにステートとは、状態、状況、地位、身分、国、国家、州、明言する、提示する、などの意味を持っている。

個人の内側の象限(私)では、意識のステートに焦点を当てる。

個人の外側の象限(それ)では、エネルギーのステートに焦点を当てる。

エネルギーのステートとは、グロス・サトル・コーザルのことだ。

それらのステートを永続的に獲得出来たときには、ステージ(舞台・段階)となる。

エイジェンシーとコミュニオン

また、4つの象限すべてにタイプが存在する。

タイプと成長プロセス(4つの発達段階)の中では、男性性と女性性に焦点を当てた。

男性的なプリンシプルはエイジェンシーに、女性的なそれはコミュニオンに、それぞれ同一化しやすい。

プリンシプルには、原理・原則・根本・主義・信条・などの意味がある。

エイジェンシーには、代理権や代理行為という意味もあるが、ここでは行為主体性と解釈して欲しい。

コミュニオンとは、和合に到達するつながりの状態のことだが、物理的ではない交わりと解釈してもらった方がいいかも知れない。

しかし、ここで大切なことは、すべての人が、エイジェンシーとコミュニオンの要素を内包しているということだ。

ステイトオブディジーズ

また、不健全なタイプもあり、ステイトオブディジーズ(病気の状態)は、すべての段階において現れる可能性があことも話した。

つまり、象限、発達論的ライン(多重知性)と発達論的レベル(体、心、霊)を経て展開するもの、そして、その各々のレベルには状態とタイプがあるということだ。

この「全象限、全レベル、全ライン、全ステイト、全タイプ」というAQALモデルは、本質的な要素を扱うことのできる最もシンプルなモデルだ。

どういうことかと言うと、この統合的アプローチは、自己・文化・社会で展開されるすべての事柄において、体・心・スピリットの養成を伴うものだということだ。

次回は「統合モデルを最も直接的に応用できるのは医療分野」を中心に解説しよう。

ではまた。。

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